プラットフォームの教科書 を読んだ
プラットフォームの教科書 を読んだ。
この本を読んだ自分の背景というと、普段はスタートアップ企業でグロースハックやWebアプリケーション、モバイルアプリの開発などに従事している。
プラットフォームビジネスの勝敗を分ける要因は当然、技術的な要因だけではない。どうやってWinner Takes Allの状況を突き崩していくか。"次"の打ち手を考えるヒントを得られることを期待して購入した。
要約
Winner Takes Allに見えるプラットフォーム・ビジネスにおいても、ひとり勝ちの状況はある日、突然くつがえされることがある。なぜ、それが起きるのかを近年の事例(任天堂 vs スマホゲーム、スマホシフトをテコにしたLINEの成長)をもとに解説している。
面白かった章とその理由
02 レイヤー構造化
プラットフォームのコンセプトを戦略にうまく取り入れた事例として、仮面ライダーのベルトや妖怪ウォッチのメダルが紹介されている。仮面ライダーの変身用ベルトの機能の変遷から、ビジネスモデルの進化を考察していて、非常に興味深い。
13 5つの対抗策
Winner Takes Allの進行を妨害する5つの戦略について解説している。戦略としては以下の通り。
- 収益モデルの破壊と拡張
- プラットフォーム包囲
- プラットフォーム間橋渡し
- プラットフォーム互換
- プラットフォーム連携
ほとんどの事業者は、Winner ではなく、次のWinnerになりたい側(追う側)であるはずなので、興味深く読める方が多いはず。
理解できなかったところ
なぜ産業がレイヤー構造化するのか、疑問が生じたので調査してみた。下記のスライドがわかりやすい。
インターネットの浸透により、売り手と書い手が同一空間/同一時間に取引を行う必要がなくなったから、という事らしい。
仕事に活かせそうな知識、活かせそうな状況と活かし方
自社の状況に当てはめると、如何にリソースを集中投下するか、選択と集中について、リソースの潤沢な大企業よりもシビアに判断していく必要がある。
その視点でみると、特に使えそうな考え方は以下の3点。
アマチュアエコノミー(UberやAirbnbの事例のように、アマチュアを事業者として参画させ、ゲームのルールを変える。)
信頼性と信用の確保(機能の豊富さを売りにするのではなく、信頼と信用を担保する仕組みを徹底的に磨き込む。)
収益モデルの破壊と拡張(既存プレイヤーの収益源を"無料化"によって破壊する。)
まだよく理解しきれていない所も多いので、時々手に取って読み返したい。